公認会計士をめざして勉強をはじめたのは、結婚し、子供を持ってから。それまでは外資系銀行に勤務していました。
家庭と両立して長く働き続けるには、資格があった方が有利と考えたとき、銀行で受けた簿記講座の講師に言われた一言が記憶に蘇りました。「このくらいできるのなら、会計士の試験を受けてみたらどうですか。」
こうして子育てをしながら、勉強に励み、2度目の挑戦で合格、1990年には大手監査法人に就職できました。それからはさまざまな企業の監査に携わり、1996年からは2年間ニューヨーク事務所に駐在し、海外での監査業務も経験しました。
キャリアを重ねるにつれ、担当するクライアントも、仕事のスケールも大きくなっていきました。
これまでの経験から思うのは、この仕事では対人能力が非常に大切であること。監査は書類ばかりを相手にしているように見られがちですが、非常に人間的要素の強い仕事です。人から学び、情報を得、交渉したり触発することが良い仕事には欠かせません。
仕事の魅力としては大きく2つあげたいですね。1つは常に新しい仕事ができること。時代や環境に応じて企業や経済は常に変化し、クライアントも多彩です。監査チームのメンバーも時によって変わり、繰り返しの仕事はないんです。
もう1つはクライアントに監査の真のバリューをわかっていただくこと。
監査は“法律があるから仕方なくやる”ものではなく、企業が社会や資本市場から信頼、評価を得るために不可欠なものです。
しかも今それは、世界からの視点でもあります。また監査とはすぐに成果が上がるようなものではなく、長期的に信頼や公正という効果をもたらします。
そうした価値を理解していただく喜びと誇りがこの仕事にはあるのです。

土岐 祥子
代表社員