リーマンショック以降、不動産の価格も下落を続けており、不動産ファンドが保有する投資不動産についても、減損会計の適用を要求されることが増えてきました。日本基準においては、「固定資産」の減損について、企業会計審議会が公表した「固定資産の減損に係る会計基準」及び企業会計基準委員会が公表した企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」において規定されています。IFRSにおいては、投資不動産については、IAS第40号「投資不動産」(以下「IAS40」)で規定されており、固定資産の減損については、IAS第36号「資産の減損」(以下「IAS36」)で規定されています。
IAS40によれば、投資不動産は公正価値または減価償却を控除した後の原価で評価することになります。第2回「投資不動産に対するIFRSの規定」で解説したように、IFRSを適用する不動産ファンドのほとんどは、保有する投資不動産を公正価値で評価しています。公正価値で毎期評価し、評価差額を当期の損益として計上する場合、減損会計の適用はありません。IAS40に従い、投資不動産を取得原価(減価償却を控除後)で評価する場合、減損会計の適用があります。今回は、IFRSによる減損の規定について解説します。なお、文中意見に係わる箇所は筆者の個人的見解です。