本書は米国COSOが2004年に公表した報告書『ERM(Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント) - 統合的フレームワーク』の邦訳版です。
日本では現在いわゆるJ-SOX(財務報告に係る内部統制の評価・報告制度)に対処するため各上場企業は自社の内部統制構築に注力していますが、本制度が目指す「内部統制」とはどのようなものであるか、その根底にあるのが米国COSOが1992年に公表した報告書『内部統制の統合的枠組み』であることは言うまでもありません。
当該報告書が公表された時代と比べて今日の企業を取り巻く環境は激変しており、法制度上対応が迫られる内部統制問題だけでなく、企業経営上の要請としてより広範な領域をカバーしたリスクマネジメント(もちろん内部統制はERMの中の重要な構成部分として包含されている)に対して関心が高まっています。本報告書は内部統制にとどまらずより広いERMに焦点を当て、どのようにリスクを有効に識別、評価、管理するかについて今後の指針となるべきものです。
また、「財務報告に係る内部統制の評価および監査の基準」の内部統制の基本的要素である「リスクへの評価と対応」の実務ガイダンスとしても活用することができます。
なお、本報告書は『フレームワーク篇』、『適用技法篇』の2分冊からなっていますが、本書はERMに関する基礎的な理論を整理した『フレームワーク篇』について扱ったものです。

2007年11月29日(第2刷)発行
東洋経済新報社、2,940円(税込み)