IFRSで提案されている新しいリース会計により企業の負債レバレッジが大幅に上昇 - プライスウォーターハウスクーパース*ならびにRSOMが世界3,000社に対して調査を実施

(本書は2009年10月14日にオランダ・アムステルダムにて発表された調査結果を要約の上、翻訳したものです。)

2009年11月12日

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)とオランダのロッテルダム・スクール・オブ・マネジメント(RSOM)が世界約3,000社を対象に実施した調査によると、国際財務報告基準(IFRS)で提案されている新しいリース会計が適用された場合、これらの企業の有利子負債(訳者注:リース債務を含む。以下同様)が平均58%、EBITDAが平均18%増加することが明らかとなりました。このうち財務比率に比較的大きな影響を受ける業界は、小売業、ホテル業、流通業、情報通信業、サービス業であろうと予測しています。

国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)は2009年3月、オペレーティングリースの廃止と、リース会計の大幅な変更などを含むディスカッションペーパー「リース-予備的見解」を公表しました。このディスカッションペーパーでは、現行のオペレーティングリースとファイナンスリースの区分が廃止され、現在オフバランスとされているオペレーティングリースを含め、すべてのリースを貸借対照表に計上することが提案されています。

調査では、開示されているオペレーティングリースについてのみ、そのオンバランス化の及ぼす影響を定量化しているため、控えめな見積もりとなっています。このため、最終的な会計基準の具体的な細目次第では、企業の負債に及ぼす影響がこれよりも大きくなる可能性があります。負債残高に及ぼす影響は、負債の相対的な増加が大きい企業の数に左右されますが、本調査では24%の企業で負債残高が25%以上増加すると見込まれています。

また、小売業については負債残高が平均で213%、負債レバレッジ(有利子負債÷自己資本)が平均64パーセントポイント上昇することが予測されています。この結果、小売業の約71%で、報告されている負債残高が25%以上増加することが見込まれています。

EBITDAについては、リース費用に代わり金利・償却費用が、営業外損益項目として計算過程に含まれることになるため、平均して18%増加すると指摘しています。しかし、2008年には景気悪化により多くの企業でEBITDAが減少したことから、最終基準のもとで実際の増加としては表れない可能性もあります。

現状、オフバランスであるオペレーティングリースに関するリース負債の見積りについて、年間のリース費用の7倍をリース料総額とみなす経験則がしばしば用いられます。本調査にて、この経験則による見積額と、オフバランスのオペレーティングリースをオンバランス化した場合の企業の負債の調整額とを比較した結果、93%の企業で経験則の結果がオペレーティングリースのオンバランス化の結果の負債残高を上回ることが示されました。もっとも、財務比率に実際にどのような影響を及ぼすかは、リース会計の最終基準の詳細によることとなります。

本調査の詳細につきましては、Fact Sheet(日本語)PDF[98KB]をご参照ください。

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