2010年7月に成立した米国の金融改革規制法(ドッド・フランク法)において、コンゴおよびその周辺国における"紛争鉱物"の使用について報告を義務づける条項が盛り込まれました。同地域の紛争では鉱物が武力勢力の資金源となっており、悲惨な人権侵害を引き起こす反乱軍の資金源を絶つことが目的とされています。
本条項では、サプライチェーンにおける取り組みが求められおり、米国証券取引所に上場していない企業であっても、その影響が及ぶものと考えられます。
また、昨年秋に発行されたISO26000においても、サプライチェーン全体でのCSRの取り組みが重要視されています。
2010年8月以降にSEC(米証券取引委員会)から、本条項に関する企業の対処について、具体的な規則が公布される予定です。本規則の発行によって、サプライチェーンにおける企業のCSRと、それにもとづく競争力の強化がよりフォーカスされることでしょう。
2010年12月に以下の開示規則案が、SECから提示されています。
[対象企業]
米国証券法の規則13(a)または15(d)に基づき、SECに対し年次報告書を提出する企業、かつ、「紛争鉱物(Conflict Minerals)」が、当該企業が自ら製造する、または製造を外注している製品の機能または生産にとって必要であること。
補足) 開示規則案において、「製品の機能または生産にとって必要である」とする詳細な定義(例:製造工程では紛争鉱物を使用するが、その後除去され最終製品には残らない場合の取り扱い)は明確にされてなく、パブリックコメントを募っています。
[報告内容]
対象企業は、コンゴおよびその周辺国が「紛争鉱物」の原産国となっているか否かを、その流通過程に関する合理的な調査を踏まえ、年次で報告することが求められている。なお、本報告にあたっては、第三者による監査が要求されている。
「紛争鉱物(conflict minerals)」とは?
すず、コランバイト・タンタライト、金、鉄マンガン重石、またはそれらの派生物。一般的には、これらを原料として生産される「すず、タンタル、金、タングステン」。
これらは、コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラなど多くの電化製品に使用されており、電機、自動車、宝飾品、航空宇宙など中心に多数の製造業に影響がある。
紛争鉱物を含有しない金属と含有する金属との混合物を用い、複雑かつ大多数の仲介者を介すサプライチェーンに関わる本規則は、企業に大きな影響を与える。
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* OECDガイダンス (OECD Due Diligence Guidance for Responsible Supply Chains of Minerals from Conflict-Affected and High-Risk Areas)
情報の透明性を高めることで企業の紛争関与を防ぐことを目的としたガイダンス。次の5つのステップから成る。(1)頑強なマネジメントシステムの構築(2)サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価 (3)特定されたリスクに対応するための戦略の構築と導入 (4)独立第三者機関による監査の実施 (5)サプライチェーンのデューデリジェンスに関する報告
担当:ウィリアムズ・澤井・大石
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